大相撲八百長問題から15年…処分力士の現在と驚きの転身先を徹底追跡
2011年2月、日本中を揺るがした「大相撲八百長メール問題」。野球賭博捜査の過程で押収された携帯電話から発覚した星の売買疑惑は、現役関取を含む20名以上の処分という角界史上最大の激震へと発展しました。春場所の中止やテレビ中継の見送りなど、大相撲の歴史が根底から覆されたあの日から歳月が流れた今、土俵を追われた力士たちはどのような日々を過ごしているのでしょうか。
相撲一筋で生きてきた男たちが突然の解雇勧告を受け、第二の人生をどのように切り拓いたのか――。飲食業界での大成功、母国への帰国、法廷闘争の末の劇的な現場復帰など、処分を受けた元力士たちの現在の姿と知られざるセカンドキャリアの実態に迫ります。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:処分を受けた力士の多くは飲食店経営や実業家、整体師など独自のセカンドキャリアを築き上げている。
- 要点2:無実を訴え裁判で勝訴した蒼国来は土俵へ復帰し、現在は荒汐親方として幕内力士を育成する名伯楽となった。
- 要点3:証言を行った春日錦の告発から始まった激動の改革を経て、大相撲はコンプライアンス体制を再構築している。
【八百長メール問題の真相】2011年に角界を揺るがした激震の経緯
2011年2月2日、警察の捜査線上に浮上した携帯電話の復元メールから、力士間で金銭を伴う勝敗の事前調整が行われていた事実が白日の下に晒されました。これが日本相撲協会を震撼させた「八百長メール問題」の発端です。メールには「立ち合い強く当たってから引く」「右を差させて寄り切る」といった具体的な取組内容と謝礼の受け渡しが生々しく記録されていました。
特別調査委員会の聴取に対し、元小結の春日錦(当時竹縄親方)や元前頭の千代白鵬が不正への関与を認める証言を行ったことで、疑惑は決定的な事実へと変わります。事態を重く見た日本相撲協会は、同年3月の春場所開催中止という前代未聞の決断を下しました。国技としての信頼が完全に失墜した瞬間でした。
【日本相撲協会処分一覧】角界を追放された元幕内力士たちの顔ぶれ
2011年4月、日本相撲協会は関与が認定された力士・親方らに対して厳罰を下しました。処分は引退勧告または解雇という事実上の角界追放であり、関取経験者を含む多くの有望株が一夜にして土俵を去ることになりました。
処分対象となった主な力士には、モンゴル出身の実力派として三役目前だった徳瀬川をはじめ、白乃波、境澤、清瀬海、春日王、保志光、光法、豊桜といった幕内経験者が名を連ねました。全盛期を迎えていた中堅・若手力士も多く含まれており、相撲界にとって戦力面・興行面双方で計り知れない打撃となったのは間違いありません。
【奇跡の法廷闘争】無実を勝ち取り親方となった蒼国来の現在
一連の処分の中で、一貫して「八百長への関与は一切ない」と無実を訴え続けたのが中国出身の蒼国来(現・荒汐親方)です。引退勧告を拒否して解雇処分となった蒼国来は、処分の不当性を訴えて東京地方裁判所へ提訴。およそ2年に及ぶ過酷な法廷闘争を展開しました。
2013年3月、東京地裁は「八百長に関与したと認めるに足りる証拠はない」として解雇無効の判決を言い渡します。相撲協会側も控訴を断念したため勝訴が確定し、蒼国来は2013年7月場所で前代未聞の現役復帰を果たしました。復帰後も幕内で勝ち越しを記録するなど土俵で存在感を示し、引退後は年寄「荒汐」を襲名。現在は関脇・若隆景や小結・若元春兄弟らを育て上げる有力部屋の師匠として、角界の中心で確固たる地位を築いています。
【元力士セカンドキャリア】飲食経営から実業家へ!処分力士たちの現在
相撲という唯一無二の道を断たれた元力士たちですが、その後の人生では持ち前の体力とバイタリティを活かし、新たなフィールドで目覚ましい活躍を見せています。
一連の賭博・不祥事の流れで角界を離れた元大関の琴光喜は、名古屋市を中心に焼肉店やハンバーグ店などを展開し、連日予約で満席となる超人気実業家として大成功を収めました。確かな肉の目利きと親しみやすい接客が評判を呼び、実業家としての手腕は地元経済界でも高く評価されています。
また、技能派として人気を博した徳瀬川は、処分後に母国モンゴルへ帰国。現地の成長産業に着目してビジネスを手がけ、実業家としての確固たる生活基盤を築いています。同じく韓国出身の春日王も母国や日本国内で飲食関連の仕事に携わるなど、異国の地で培った経験を糧に歩みを進めました。
その他の処分力士たちも、相撲仕込みの味を武器にしたちゃんこ料理店や居酒屋の開業、大柄な身体を活かしたパーソナルトレーナーや整体師、さらには一般企業の営業職や建設業など、多種多様なセカンドキャリアを切り拓いています。「相撲界追放」という重い十字架を背負いながらも、泥臭く社会に順応していった彼らのたくましさは特筆すべき点です。
【大相撲不祥事その後】角界追放の影で証言者となった春日錦の歩み
問題の全容解明において決定打となる証言を行った春日錦の存在は、大相撲の歴史において極めて複雑な影を落としています。調査委員会に対して自らの関与を認め、他の力士の名前や手口を赤裸々に明かした証言は、協会の真相究明を大きく前進させた一方で、仲間を売ったとする厳しい視線にも晒されることになりました。
相撲界を完全に離れた後の春日錦は、表舞台から姿を消し、静かに一般社会人としての道を歩み始めました。自らの過去と向き合いながら一般企業で勤務を続けていると伝えられており、角界が膿を出し切るための「最大の引き金」を引いた人物として、その名前は相撲史に深く刻まれています。
【八百長 力士 現在】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:八百長問題で処分された力士に復帰した人はいますか?
A1:裁判で解雇無効を勝ち取った蒼国来(現・荒汐親方)ただ1人です。その他の処分力士はすべて相撲界を完全に離れており、現役復帰や協会復帰を果たした力士はいません。
Q2:琴光喜の現在の様子や経営しているお店はどこにありますか?
A2:琴光喜は愛知県名古屋市を中心に「やきにくの手ごねハンバーグ」などを展開する飲食グループのオーナーとして大成功しています。多くのファンや著名人が訪れる人気店として繁盛しています。
Q3:なぜ八百長が発覚したのですか?
A3:2010年に発覚した野球賭博問題の捜査において、警察が押収した力士の携帯電話を解析したところ、消去されていた星のやり取りに関する送受信メールが復元されたことが直接のきっかけです。
まとめ:角界激震の教訓とそれぞれの道を歩む元力士たちの今
2011年の八百長問題は、数百年続く伝統と信頼を一瞬にして崩壊の危機に追い込んだ大事件でした。しかし、この壊滅的な痛みを経たことで、日本相撲協会はガバナンス改革やコンプライアンスの徹底を進め、今日の満員御礼が続く活況へと再生を遂げました。
土俵という唯一の居場所を失った元力士たちもまた、絶望の淵から立ち上がり、それぞれの力で第二の人生を切り拓いています。土俵の上で見せた気迫をビジネスや新たな生活へと注ぎ込む彼らの歩みは、過去の過ちを乗り越えて生きる人間の強さを物語っています。 (出典: 八百長 力士 現在(Yahoo!ニュース))